百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

暑い夏が始まった・・・。金のかからない農業はあるのか

夏秋トマトはゴールデンウィークくらいから本格的に時期が始まる。世間の皆さんが楽しく休暇を過ごしている間に、朝から晩まで畑に向き合う日々なわけです。昔はこの時期は好きだったが、今は最悪だ。。。

僕は、一応新規就農に当たると思うけど、何年間か農家で研修をして、どこかの田舎で畑を探し見つけ、補助金をもらい、野菜を作っていくパターンではない。「農家」になりたくて農家になったわけではなくて、本当運良く流れのまま農業がやれているだけなので「普通の新規就農」を目指す人達は自分の意見は参考にならない。

ただ、農業を本格的に始めるまでは、「自然の中で牧歌的な生活をして自給自足的な生活をしたい」との考えは完全に間違っていた。都会のオシャレな雑誌の世界にしか存在せず、田舎にはどこにもなかった。あくせくせず生活することはできるけど、本当に田舎の中の田舎(スーパーやコンビニはなく、人家、山、森林、畑しかない)だと、自分で工夫しないと生活できないです。仕事、娯楽、人付き合い含めて。

結局、ネットで田舎暮らしを検索しても田舎暮らしはわからないし、直接田舎に引っ越して生活している人の意見も所詮その人の経験談にしか過ぎないので、参考程度にしかならない。

農業は金がいくらあっても足りない。マジで金がかかる。既存の農家はひいおじいちゃん、おじいちゃん、お父さんたちからのストックがあるのであまり金はかからないが(とは言ってもやっぱり金はかかる)、一から新規で農業すると資材は基本的に全部購入しないと行けないので、1千万以上は余裕でいる。僕もだけどそんなお金はないので借金するしかなくなると思うでしょ?でも、みんな農業やめる人ばっかりだから、資材も土地も余っているのです。既存の農家さんからうまく借りるなり、貰うなりすれば莫大な投資も抑えることができる。それができればなんとかなるもんです。

どうやって借りるか?どうやって貰うか?how toはありません。自分でなんとかするしかないです。強いて言うならば、人にうまく依存し、運を味方につけるくらいでしょうか。

色々書いてきたけど、田舎で生活したいなら結局あれこれ考えず行動したほうが一番うまく行く。動いたら誰かが助けてくれるからなんとかなるもんです。

 

慣行夏秋ミニトマト3番花開花までのざっくりとした技術的考察

オランダのようなガラス張り対抗型ハウスで、潅水、養分、光、農薬をIT管理しているのとは別であることを前提に書く。

まずはミニトマト育苗中の管理。潅水の頻度、農薬の種類、液肥の回数は個人により違うし、地域により違う。私が昨年まで実施したのは、

  • 潅水は苗の葉がなれるたら動噴で約2秒潅水。
  • 農薬はダコニールを一度
  • 液肥はカリ成分の強い液肥を一度葉面散布

苗の状態は良好だったが、一番下の子葉が黄色になり枯れたのが問題。潅水の量を増やす必要があると判断した。おそらく、ほぼ毎日潅水しても極端に潅水量が増加しなければ苗が立ち枯れることはないだろう。(やってみないと不明だけども)農薬についてはよくわからない。満遍なく病気に効く農薬だからという理由だけなので、改善の余地が大いにある。

定植後は、およそ2週間の間2日から3日に一度手潅水。これについては問題ない。苗の状態にもよるが、根を土深くまで張らせるためにも、潅水を絞ることは重要だ。その後は3番花が開花するまで毎日様子を観察し適宜、誘引、芽摘みを行う。追肥は行わない。3番花開花までは、苗が元肥をどんどん吸収し追肥が必要ないため。逆に追肥すると樹がぼやけ将来花に栄養がいかず良質なミニトマトができなくなる。

ただし、3番花まで追肥しないのも一つのやり方であり、今では2番花開花直後に追肥するやり方もあるので、一概に何が正しいとは言えない。肥料設計、温度、湿度、日射量により判断する必要があると考える。

追肥のタイミングを間違えると実に栄養がいかず、樹ばかりが太ってしまうので、最も気を使うところと言える。昨年は追肥のタイミングがピッタリだったため、樹と実に正しく液肥が届いたので今年も同じようにうまくしたい。

私のようにもともと非農家で経験に乏しい者は、経験で補えない部分をテクノロジーを利用し、数値化し、判断することが求められる。本や経験豊富な農家から話を聞くことは大事であるが、環境により違うため参考にならない部分も多々ある。やはり自分なりの型を見つけることが大事だ。型ができると作業が楽になる。

数値化する道具はいくつかあるが、とくに堀場製作所の「イオンメーター」がおすすめだ。ミニトマト以外の作物の数値も測定できるので、ぜひ使用してみて欲しい。