百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

周囲の人たちが具体的に変わっていっている

年齢を重ねたということだろう。昨年の中頃から自分も含めて周りの人たちの環境が変わっている。自分が動かなくても勝手に物事は変わっていくのは本当だ。毎日淡々とした日常生活が流れても変わる。自分の目にみえないだけで日々過ごしずつ環境は変わっていっているのだろう。

山奥ニートの初期メンバーである石井君が山奥から名古屋に引っ越すことになったそう。10年も山奥ニートとして活動して本を出版し、社会に影響を与えてきたことはすごいことだし誰でもできることじゃない。地域の方に引っ越すことを伝えて、落胆された様子は彼が集落にうまい距離で溶け込み信頼されていたことがわかる。これも誰でもできることじゃない。田舎で限界集落といわれるところに「よそ者」が入って生活するのは2024年になっても簡単なことではない。

彼の功績といえば大げさかもしれないが、「自分の身の丈にあった生き方をすればいい」ことを山奥ニートを媒介にして広めたことは価値があることだと思う。生きづらさだったり人生の岐路に立っている人たちへ考え方の肥やしになったはず。

今後も共生舎の器は続くそうなので、山奥ニート的な生活をしたい人たちが集まって生活するのは変わらないだろう。金儲けでなく、福祉でもなく、イベントをするわけでもなく、ただ人が集まり生活するだけの場所。資本主義があらゆる領域に侵食した状況ではより安心して生きられる場所が求められていく。

これから名古屋でどういう生き方をするのかとても楽しみ。名古屋近郊に行く機会があったときは会って酒を酌み交わしたいなあ。10年間の山奥ニート生活お疲れさまでした。これからの活動も楽しみにしています。

banashi1.hatenablog.com

農家は数百人単位で離農しています。今後も増える見込みはありません

2024年になっても農家の状況がよくなることはありません。一部の経済雑誌にある「豪農」の呼ばれる農家も同じです。盤石な基盤があるわけではありません。莫大な補助金なしでは大規模農家の経営はやっていけません。良い悪いではなく事実です。

農家は日々どこかで離農しています。増える見込みはゼロです。統計上2050年には農家は消滅します。もちろん完全になくなることはないけど、ごく一部の大きな法人か株式会社しか残っていないでしょう。政府と国はそういう政策をとっていますし、発言権がある方々も「大規模専業農家の収入は平均1000万近くだから問題ない」と謳っているので今後もこの流れは止まりません。

現場で小規模農家をやっている身としては、単一で多様性がない農業は危機の際に完全に消滅していますリスクが高いので、大規模でお金しか考慮しないのはやめたほうがいいと思っています。資本主義のことだけで農業を捉えると必ずしっぺ返しがくるでしょう。毎日外で農作業しているから危険だと自分の直観と感覚が言っています。野菜が売れる、売れないは大事なことだし売れないと食べていけないので困ります。個人のお客さんに売れないと困りますが、直売所で売れないことは正直どうでもいいです。農業の構造は農家がピラミッドの底辺に置かれ中間搾取業者が跋扈しているので、いちいちそこで売れる売れないで一喜一憂しても意味がない。自分の野菜を好きだと言って買ってくれるお客さんを大事にしてこそ営農ができます。

農業を続ける、続けないは完全に自己責任です。政府、農水省、県、市町村、農協が困ったときに助けてくれることはありません。日本に於いては、農家は過度に保護され守られていると勘違いしている方が多いですし、保護すべきだ考える方々は少数派なので営農に失敗しても誰の責任でもありません。完全に自分自身の能力のなさ、運がなかったということです。僕は日本の農政は間違っていると確信していますが、現状は自分の思うようにはなってませんし、動かす力はないので受け入れて自分のやりたいようにやるだけです。

高齢の農家が我慢して耐えてきた話を聞くと安心して営農を続けられる日が来てほしいと思いますが、この国の惨憺たる農業政策を見る限り何も期待できませんし、期待してはいけないですね。自分の器で淡々とやっていきます。