百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

種子法廃止、現実は・・・?

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2013.05.25.MarchAgainstMonsantATX

わかっているようでよくわからない種子法。種子法が廃止されることで何が変わるのか調べるが正直複雑でわからないことが多い。

毎年種取りをして翌年もその種を使う自家採取の禁止、都道府県や農協が管理してきた種子を民間へ門戸を広げることの2つが大きなポイントになる・・・はず。農水省のHP、各種ブログを読んでみたけど、要旨をわかりやすくまとめたものがなくてわかりにくい。

  • 種子法廃止により、モンサントなどグローバルな多国籍企業が農薬や除草剤と一緒に遺伝子組換えの種を販売することへの懸念。
  • 特定の企業への寡占が進み、ロイヤリティを払わないと種が購入できない「種子の私物化」。
  • 経済性が重視され種の多様化がなくなり、画一的な種子ばかりになり病害虫などの影響を一律に受けてしまうこと。

kokocara.pal-system.co.jp

廃止されたことにより将来的に上記のような心配がされているそうだ。

一方で種子法が廃止されたとしても、

  • 現状で自家採取している農家は少なく、収入を増やすためにブランド種子を購入する傾向が高くなっていること
  • 都道府県で奨励されていた種が法律がなくなるだけで、特定の圃場(畑)で種子生産をすることは続けられる
  • そもそも農協が地域農業の運営を担っているので「モンサントに支配される」ことは農協が支配されないとおこらない
  • 自家採取は種子が交雑され、収量や品質が低下するのでブランドを守れず経済性が下がる

ameblo.jp

と種子法が廃止されても心配する人たちの懸念するようなことはない、とする人もいる。

賛成・反対の人の意見を読んでも現場は正直関係ないなと思わざるをえない。どちらも現場で野菜や米を生産する生産者に「種子法が廃止されたから〜してみればいいんじゃないでしょうか」という提案はない。

「廃止されても問題ない」

「ブランド種子のほうが利益が上がる」

「廃止されると農家のコストが上がる」

「遺伝子組換えが流通して多国籍企業に乗っ取られる」

どの意見も現場にいると虚しく感じる。

僕の意見は種子法が廃止される影響は将来的にでてくるだろうし、モンサントの種と除草剤がセットで販売されるのはヤバイと思う。

ただ、モンサントがこようが種子法が廃止されようが農業をする人はどんどん減っているし、食の安全や地方の衰退を言っても田舎に来て草刈りをする人はいないから農業は終わっちゃう。現実的には補助金たっぷりの法人や一部の大規模農家が農地を管理していくことになるだろうが、全部の田畑を管理することは無理。機械が使いにくく面積が狭い経済性がない農地は捨てられる。

自家採取するのは素晴らしいことだが、あらゆる野菜の種をとって毎年繋いでいくことを個人がやるのは難しい。手間だし時間がかかるし、その種が来年使えるかどうかもわからない。日本ほうれんそうのとう立ちした種を翌年植えてみたけど、発芽ほとんどしなかった経験がある。みなさんが普段食べている野菜はF1の種(種が1代で終わる)だし、おいしい野菜なわけです。

自分のようなしょぼい農家の意見はきかなくてもいいから、長年農業で飯を食ってきた生産者の声を聞いてほしい。みなさん一人ひとり意見は違うだろうけど、このままいけば田畑が維持できないと考えているのは共通していると思う。

四の五の言わずに農地をどうにかしたいなら田舎に来て草刈りしましょ!!田舎の人は草刈りしてくれたらマジで喜ぶしすぐに信頼してくれる。

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