過激な言葉から距離を置く
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ネットだと「普通の言葉」より過激な言葉のほうが受ける。ネットだけじゃないか、テレビ、新聞などのメディアも読者に読んでもらうためセンセーショナルなニュースを流す。僕たちは悪いニュースを読んで社会が分断されていると思ったり格差が拡大していると憤りを感じる。日々悪いニュースが流れてくるとこのままだと今の社会は崩壊してしまうといった危機感を覚え、実態とはかけ離れた社会認識になってしまう。
過激な言葉は不安を感じている人たちの心を揺さぶり先鋭化していく。人類は100年前より明らかに豊かになっているにも関わらず過激な言葉は豊かになった事実よりも信用されてしまう。「信者」たちは「教祖」の教えに従い他の人たちがデタラメだとわかることを信じ込みドツボにはまっていく。教祖は何も考えず扇動するパターンもあるだろうがほとんど意図的に過激な言葉を使い力と金を得ていく。典型的なのがテロリスト。自分たちの理想のためには無差別に人を殺し既存の社会に恐怖を植え付けることを厭わない。
自分と近い考えをみたとしても過激な言葉を使っているときは注意すべきだ。社会は分断されていないのに過激な言葉を信じる人たちが増えると本当に分断されてしまう。自分の考えを伝えるときは感情的にならず論理的に伝えることが肝要。誰でもいつでも過激な言葉を公に投稿できる時代だからこそ「普通の言葉」を使うことが求められる。
人類は宗教や文化によって生活が決められれるのではなく所得によって生活様式が決まるそうだ。*1中国の富裕層とザンビアの富裕層は同じ物を持つ。日本とザンビアも同じ。遠く離れ、宗教、文化、人種、自然環境が違っていても所得階層によって生活レベルが決まるなんて驚きだ。ファクトフルネスのなかで提示されている統計は隠されたものではなく国連などの機関が調べているものを利用している。誰でも閲覧でき秘密資料なんかじゃない。数字がすべてではないけど専門家が調べた統計をみれば過激な言葉に踊らされなるのがバカバカしいと理解できる。僕の誤った社会認識をアップデートすることができ、誰かを悪者にしても解決しないことを学ぶことができた。「若者への再分配が少なく老人ばっかりに金を配り老人たちが若者の機会を奪い搾取している。奴らは老害だ。」というような老人がすべて悪いような考えは誤りだった。二項対立にするのは簡単で気持ちいいし楽だ。直線的に物事をとらえるとわかったような気分になる。現実の問題は複雑で誰かを叩いても解決しない。
過激な言葉に共感しそうなときは一呼吸おこう。冷静にみればおかしいことに気づく。気づかないときは本を読むかそれほど親しくない知人に話すと気づく。すべてのことはいきなり良くはならないけど少しずつ良くなっている。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
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*1:『ファクトフルネス』ハンス・ロスリング