百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

2019年に第一次産業従事者はどういう形であれ全員仲間だ

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6次化、大規模化、栽培と販路の自己開拓…農業を取り巻く環境は少しずつ確実に変わっている。林業、漁業も同じみたいだ。工場制手工業時代と比べて機械化により人手は大幅に不要になってきているとはいえ、一定数の作業員が必要。中国では農産物の栽培から収穫までの完全自動化実験がすでに始まっており、10年以内には実用化にされるようだ。たった10年で作業員が不要になり管理者だけで生産できるなんて信じられない。世界は大きく変わっている。日本でもGPSを利用した自動トラクターは実用化されており、近い将来トラクターに人が乗ることはなくなる。

最先端テクノロジーを使いあらゆるものを自動化・機械化するのが良いか悪いかわからない。判断する材料を持ち合わせていないし専門的な分野になるので表面的に伝えられるニュースでしか理解しようがない。

現場で労働する身としては第一次産業は2019年において軽視されているなと感じる。効率性が飛躍的に向上し食料生産は爆発的に増加した。それ自体は喜ばしいことだし進歩だ。食べ物に困る人が減るわけだから。ただし理不尽なことを現場に押し付けるのはあまり変わっていない。田んぼを転作してハウスを立て高付加価値な野菜を生産して販売するのは日本全国どこでもやっている。補助金も支給されるので自己負担は少なくすむ。つくるのはそんなに難しいことではないが、生産して販売して続けていくのは誰でもできることじゃない。既存の農家でも倒産するところはあるのに新規就農して続いていくとなると100人中10人くらいだろう。大規模化して企業化・法人化して利益を上げているようにみえても、補助金が打ち切りになれば途端に資金がショートする。隠された情報ではなく収入をみれば一目瞭然だ。1円も補助金に頼らず長く経営するのは針の穴を通すくらい難しい。うまくいっているようにみえても内情は違うわけだ。

伝統的な農家や林業、漁業を続けてきている人たちは形はどうであれ心から尊敬する。嫌な奴もあってきたけど、理不尽なことに耐え新しい販路を開拓しやっていく姿は本当にすごい。もちろん畑違いから第一次産業をやっている人たちも。補助金をもらおうがもらいまいが、大規模化・小規模であろうが、専業・兼業であろうが、慣行・有機農業であろうが関係ない。2019年に第一次産業に従事している人は全員仲間だ。みんなが仲間だと思うことはないのはわかっているが勝手に仲間と思わせてもらいます。僕のようなボンクラでも受け入れてくれる第一次産業は懐が深い。

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