百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

スペインと日本は同じ雰囲気を感じた

スポンサーリンク

空港に着くとその国の匂いがかならずある。韓国は外にむかうエネルギー、ベトナムは荒々しさと大人しさ、マレーシアは人間の濃さ、シンガポールは人間の薄さ、ミャンマーは欲望の熱、僕が旅が好きなのはその匂いを体感したいから。自分の経験したことのない匂いは自分を無意識に変えてくれる。

スペインのマドリードのバラハス空港に降りたとき、日本と同じ匂い、雰囲気を感じて驚いた。渡航前はラテン系の陽気な雰囲気が街中に漂っているだろうとポジティブなイメージだったので、まさか自分の国と同じだとは想像もしなかった。

同じ匂いを一言で表すと「没落」

このまま静かにゆっくりと衰退しながら社会が続いていく諦めと達観。労組のデモが定期的に発生し、公共交通機関でも運休するような国だけど根底にあるものは変わらなかった。高齢化が進み街には老いた高齢者が多くいることも同じだった。

バラハス空港は成田や羽田と同じく近代的で清潔な空港だけど、これから社会が大きく成長していく勢いはない。EU圏内の移動は安価で気軽に移動できるけどEU圏外にハブとして使うのは不便だ。成田と羽田よりインチョン経由でヨーロッパや他のエリアに飛ぶほうが便利なのと似ている。

コロナが終息してまた海外に行ける時代が来たらスペインの雰囲気を感じたい。「コロナが世界に広まったのは中国というよりアジア人たちの責任だ」と考えている層が一定数いるだろうから、コロナ前と違ってヘイトクライムには気をつけないといけなくなりそうだ。世界がコロナのことを忘れる(5年〜10年はかかるかな)になるまではアジア人の旅行は気をつけないと。

日本では就活をやめて違う生き方を模索する人が少しずつ増えている。農村に移住したり農業をやってみたり、図書館を開いたり、ただ生活したりする動きは広がっていく。経済と社会は衰退して収縮しても田舎に人が来る流れが止まることはないだろう。急激な人口減少の最中なので全体としては消滅する集落が増えるだろうし、地域社会が機能しなくなる場所も減ることはない。個人的には、田舎はなくなっても構わないから農地だけは耕作放棄地を少しでも減らし太陽光パネルに転用するようなことはやめて未来へと残すようにはならないといけないと思っている。農地がなくなれば食糧生産ができなくなり飯が食えなくなる。だから農地だけは残さないといけない。お金があっても食べ物がなかったら生きていけない。シンプルだけど真実だ。

スペインも若年層の失業率はコロナ前から30%を超えており、現在は40%になっているので「普通に働ける」環境ではない。20代、30代の人たちは田舎に引っ越して雇われないで生きることを選んでいるのだろうか。EU圏内の居住はビザなしでできるから移住してチャンスを探そうとしているのだろうか。わからないけど、今までとは違う生き方を選ぶ人は裕福な国のなかでは増えそうだ。

Barcelona Airport