百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

西成は高齢者の終の棲家になった

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<西成の昔と今>

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昨日大阪に行ってきた。大阪といえば欠かせないのが西成。youtuberが西成の動画あげたりして一般人も観光がてら遊びに行くようになったとはいえ、まだまだ「スラム街」としてのイメージが強い。関西圏の友人は、西成という言葉を聞いただけで嫌悪感を示して絶対にあそこには行かないと言う。

僕は10年ほど前から毎年西成に通っている。きっかけはバックパッカーをしていたとき大阪で安宿を探していたとき。予約サイトに一晩1000円とあり、西成周辺は同じような激安価格がゴロゴロでてきた。「これは絶対に行くしかない」と思い、すぐに西成に行った。

当時は、すごく汚かった。新今宮駅西口を降りて目の前にある、あいりん労働福祉センター(センター)の横断歩道を渡ると強烈な塩素の匂いが充満していて気分が悪くなった。センターの中を歩くと2階で日雇い労働者かホームレスか見分けがつかないおっちゃん達がダンボールを敷いて寝ていて、話し声が一切ないから怖かった。

センターを出て町を歩くと、普段目にすることのできない光景が至る所でみれた。

日雇い労働者たちが、朝から自販機に集まってビールか酎ハイを買い、至る所で飲む姿。

路上に座り奇声をあげるおっちゃん。

路上で意味不明な演説を始め、通行人にアピるおっちゃん。

失禁と便失禁をして路上で横たわる老人。

裏通りに入ると嘔吐と便がいたるところにある。

60歳くらいの売春婦

などなど、同じ日本とは思えないことが10年前はいたるところにあった。

そして10年経った今、ものすごくきれいになった。まず臭い。塩素の匂いは全くしなくなったし(去年はまだ若干あった)、体臭の臭いもなくなっていた。

裏通りも放置自転車が歩道を埋め尽くし道路にまで広がっていたのが、ご覧の通り無料自転車広場が設置されている。おっちゃんは路上に座っているけどね。

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三角公園もトイレから激臭がしていたけど、毎日行政がおっちゃんたちを雇用して清掃しているからきれいで臭いがしなくっている。

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他の道路もゴミがほとんど落ちてなくて理路整然と町が整備されている。

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町は変貌しているが、変わらないのは物価の安さ。自販機は50円、居酒屋もせんべろできる安さ。うどんも安い。西成以外でも大阪は安いけどね。

この店は去年行ったときにはじめてみかけた新しい店。店内は清潔で味も値段に見合ったクオリティ。三角公園近くのアーケイド内にある。有名な外で飲めるホルモンやまきとは反対側です。

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女性でも安心して歩ける町になっている。ただ、夜の一人歩きは絶対にやめてください。全国各地から流れ着いた人たちがいるので何があるかわかりませんので。昼間は全然大丈夫ですよ。

<労働者の町は高齢者の終の棲家へ>

今回行って発見したのは入所型の老人ホームが増えていること。高齢の路上生活者たちを生活保護受給してもらいホームレス状態を解消しているそうだ。雇用も増えるし一石二鳥といえる。

町を歩いても若者はほとんどにいない。日雇い労働で生計を立ててきた高齢者たちしかみない。(外国人は増えている)

生活保護を受給してもらい福祉制度によってホームレス状態の高齢者たちを老人ホームに入居させるのはいいことだろう。仕事をできる年齢ではないし路上で寝るより三食食べれて布団があるほうがどう考えても良い。ヤクザや裏社会が絡んでいたとしても。

ただ、老人ホームに自由はない。24時間決められたスケジュールによって管理される。寝坊したくても寝坊できないし消費したくてもできない。何もせずとも3食食べれて布団で寝れる生活だけど自由はない。そう考えると老人ホームにホームレスを入居させる政策は絶対的に良いとは思えない。

ホームレスか老人ホームの二択ならどちらを選びますか?

<西成は将来の日本>

西成は将来の日本の姿を表している。貧乏な老人は衣食住には困らないが自由はない。社会保障制度は維持するのは困難だし、経済格差は是正されそうにないので、西成に住む高齢者のような人たちは他の地域にも広がっていくことだろう。

いまの貧乏な高齢者たちはまだマシなほうなのかもしれない。僕らが老いたときは、貧乏で生産性がない老人は「姥捨て山」に合法的に捨てられるかもしれない。そこまでいかなくても、生活保護をもらい衣食住が整った施設に入居するのは貧乏な老人の中でもエリート貧乏老人だけに限定されることも考えられる。

日雇い労働者の町から高齢者の終の棲家の町へと変貌した西成の行方は、今後の日本の高齢者社会のモデルケースとなるかもしれない。

 

※こういう面白いのはまだある。オシャレなカフェバーもできているから一度行ってみてください。

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