百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

破綻国家ベネズエラの状況をみて思うこと

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ベネズエラに入国して取材した記事をみた。

www3.nhk.or.jp

多くの人が、まともに生活できなくなっている中、ある一角だけは、明かりが照らされ、着飾った人々が高級車で乗りつけていました。カラカスの中心部、富裕層の人たちが暮らす地域にある、スーパーマーケットやレストランです。

こうした店には、豊富なモノや医薬品が並んでいます。レストランでは、イタリアンからフレンチまであらゆる料理を味わうことができます。
値段は、水1杯5ドル、パスタが1皿30ドル程度でした。普通の人たちの給料半年分のドルがあれば、食べられるというわけです。

レストランに来ているのは、私が取材した範囲では、石油関連のビジネスに関わる政府関係者や、外国と商売しているビジネスマンでした。社会主義国なのに、どんどん貧富の格差が広がっている。そんな状況がかいま見えました。

 外国と取引をして外貨を獲得している、政府系の石油関連に関わっている富裕層とそれ以外の層とでは同じ破綻国家にいながらも全く生活が違うことに驚く。富裕層は国家がどうなろうが悠々自適に生きていける財力を持ち合わせているから、大統領が2人いようがインフレ率が200%を越えようがどうでもいいのだろう。

中間層の間では仮想通貨が広がっている動きも。

多少の蓄えがある中間層以上の人たちも、銀行口座からの現金引き出しが制限され困っています。政府はクレジットカードも、ひと月6ドル程度しか使えないようにしています。

こうした中で、急速に広がっているのが仮想通貨や電子マネーです。使えない通貨ボリバルより、よほど信用できるというわけです。去年から仮想通貨が使えるレストランやスーパーが急増しています。

業界団体によると、現在2500店程度で利用が可能で、ことし中には3倍の7500店に、利用者も1万人を超えるとみています。

ベネズエラ国外にドルの口座を持っている人や、親戚などからドルを送ってもらえる人が、ドルを仮想通貨に換え、買い物をしているといいます。

 皮肉なことに通貨ボリバルが信用されていないためベネズエラでは仮想通貨の実験が広がっている。仮想通貨が国家が発行する通貨権と同じ価値を持つのかどうかの初期実験といえそう。これから破綻してくる国家がでてきたときの指標になるだろう。

南米はベネズエラにかぎらず貧富の差が凄まじい。メッシの故郷であるロサリオに行ったときに3階建てで庭付きの豪邸のすぐ横にいまにも崩れそうなボロボロの家があってホームレスが住み着いていた。富裕層、中間層、貧困層の生活は全く違ってすれ違うことはない。貧乏から這い上がるにはビジネスマンや政商以外だとサッカー選手で一発逆転を狙うしかない。南米から優秀な選手が次々と現れるのは文化だけでなく貧しさからの脱出は大きな要因だ。

ベネズエラの現況でわかることは、国家が破綻しても影響を受ける層もいればまったく関係ない層もいることだ。富裕層は国民国家がどうなっても関係ない。シリコンバレーの連中が、政府が国家を運営するより自分たちのほうが賢く効率的にできると思っているのと同じ。

日本では借金が1000兆円を超えいつ破綻してもおかしくないと言う人たちがいる。政府と官僚の対応をみると破綻しても不思議じゃない。もし破綻したとしてもベネズエラのように富裕層は何事もなく生活し、貧困層は困窮する。

ハイパーインフレや財政破綻に備えて何かするということはないが、何があっても生きられる体制は整えておく必要がある。富裕層のように蓄財できないなら人とのつながり、食料生産技術…こんなところかな。備えなくてもできているから破綻しようが何とかなる。なってみないとわからないが。

「世界は断絶している」わけではないが、持たざるものと持つものの差は確実にある。ベネズエラはチャベス大統領の時代から富裕層と貧困層の差がひどかったことも影響しているが、持たざるものへの分配を増やさないと社会がより不安定化していずれしっぺ返しがくる。

表面的にはアメリカとけんかしていましたが、アメリカの企業とは大人の関係を築いていました。豊富な石油の半分はアメリカに買ってもらっていました。アメリカ企業も地理的にも近いベネズエラから安く大量に石油が買えるとあって、取り引きはひそかに続いてきたのです。

 チャベスは賢かった。マドゥロは政治が無能だとひどいことになる例を示してくれている。

日本はどうかな?

Billetes del Bolívar Fuerte - Anversos