百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

田舎に悪い人はいない

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前回、田舎で実際におこっている現実を自分が知る範囲で書いた。

www.guvivva.com

これを読んで田舎に移住を考える人はいないだろうというくらい暗部を書いたので、今回はポジティブなところを書きたい。

<都会にいる悪人は田舎にはいない>

本音と建前、田舎、特に限界集落に住む高齢者は何が本音で建前かわからない。そのことは気をつけないといけないが、都会にいるような人を騙す悪人は一人もいません。資産の有無に関係なく信心深くて慎ましい暮らしをしていて、日々淡々と生活をしています。

これだけ世の中に浸透しながらも、オレオレ詐欺の被害にあう高齢者が後を絶たないのは田舎に悪い人がいないから。見ず知らずの者に通帳を渡したり、ゆうパックで現金数千万を送ったりするのは人を騙したり騙されたりする文化が田舎にはないためです。

悪く言えば世の中に対して無知なのかもしれないが、悪人ではないので安心して話すことができる。会えば野菜はくれるし、ジュースはくれるし、栄養ドリンクくれるし(田舎だとなぜか箱買いしている)、おかしはくれるし、お金もくれるし(行事のときとかだけ)と自分より若い人ならバンバンものをくれる。子どもがいれば半端ない量をくれるからね。

あと田舎で生きていく知恵の量も豊富にある。

  • タケノコがどこにあって何月まで生えて今年は例年と比べて長く収穫できる
  • 山菜がいつどこで取れて来年のためにこのくらいまでしかとらない
  • 獣の足跡をみただけで、体型、年齢、性別がわかる
  • 野菜を何月に植えればいいかわかる
  • 瓦の張替えみたいな以外なら自分で家の修繕をする
  • 家の修繕をするときに、廃材を使ってコスト抑える。廃材は集落内外に人脈があるので電話一本で解決
  • 無理のない体の使い方を知っているので80歳、90歳になっても草刈りができる
  • 水が災害などの原因で止まったとき自分たちで補修・修繕する
  • 電気が止まっても簡単な原因なら修繕する
  • 草刈り機、チェーンソー、トラクター、動噴などの農機具はだいたい使える

ざっと思いつくだけでもこれくらいある。生活の知恵がすごい。わからないことでも聞けばすぐに答えてくれるし、わからなかったら分かる人に連絡して解決する。小さいときから百姓や狩猟をして山と畑を遊び場として生活してきているから若い人は勝てない。

都会で生活して田舎にきても技術がないから、どっかのタイミングで技術の必要性がわかってスキル取得に励むことになる。そのときに生活の知恵が豊富な高齢者、もしくはおじさんおばさんが一人いるとスキル向上がはやい。ネットに情報は載ってあるけど、現場で実践して培ってきた生の情報がもっとも優れている。

僕自身も、なんでも自分でこなせる高齢者が周りにいたからゼロの状態から始めても覚えるのはやかったし、情熱があれば向こうもガンガン教えてくれるのがすごくありがたかった。

前回の記事だけ読むと「なんでお前は田舎のダークサイドばっかりを書いているのに住んでいるんだ」と思われるでしょうが、いいところもたくさんあるので住んでいることがわかってもらえたかな。

都市も田舎も100%満足できる場所はないから、自分にあう場所を選んでいければ生きるのが楽になりますね。

7月から8月の田園風景はたまらなくいいですよ。最高!一番好きな風景だ。

 

Azumino, Nagano, Japan

寺家ふるさと村 / Jige Furusato Village