百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

動きたい、動きたくない

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好きで農業を始めたわけではなく、自分で食べていくために何かないか探していた過程で運よく就農できた。やってみて身体はキツイし休みという休みはないけど自分で一日をコントロールでき畑で野菜を育て売る行為は向いることがわかった。

ただ、一つ悩んでいるのはどこにもいけなくなってしまうことだ。ドラえもんの4次元ポケットがあれば畑も移動できるかもしれないが同じ場所で定住することを求められる。移動したいときに移動してきたので5年たった今でもこのまま農業を続けていけるのか悩む。

だから昨年、海沿いの町に引っ越して思い切って環境を変えてみた。畑はあるものの基本的に果樹しか育たたないような環境なので野菜はできない。家も自由に使え、地域コミュニティもだいたい受け入れてくれ、いつでもどこへでもいける環境はできた。海の街の家を拠点に都市、田舎を好きなときに行き来していろんな人に会い楽しみながら学べ、好きな自然をみることができた。環境面で不満はなかった。

一方で畑のことが頭の片隅に常にあった。気になっていたので定期的に畑をみて草をかり小規模に植え付けをした。何をしても畑が気になるんだから畑は何らかの形で続けたほうがいいのだろうという結論は迷わずでた。

問題は畑をやりながら移動できることを確保するのは可能なのか?そこに絞られた。伝統的農家、新規就農者からすればお前は何を言っているんだと言われそうだ。甘えていると。自分でも中途半端になるかもしれないと思いつつ、この問題を避けて通るのはできない。

じゃあどうしたかといえば、作付面積は変わらないけど植える野菜の品目を絞り8割でやれるようにした。今のところほぼうまくいっている。ガッツリ畑作業する時間はありながらも行きたい場所に行くことができている。これが本格的な夏になったらどうなるかわからない。目論見は崩壊するかもしれないし思った以上にうまくいくかもしれない。

今年やれているのは昨年思い切って環境を変える決断をしたからのは間違いない。失ったものもあったが得るものも多くあった。

「定住を基本とする農業を移動できる農業にする」

とても難しいことなのはわかっているが実現させたい。

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