百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

なす褐色腐敗病と葉物には農薬使いません

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なすが致命的病気になった

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生長点が褐色になり成長はして花は咲くものの、商品にならないなすができている。調べると「なす褐色腐敗病」という病気になったのがわかった。(多分)

www.takii.co.jp

糸状菌(カビ)が原因とあるので間違いないだろう。ナス科を連作していきている土壌で、これまでも菌による病気に罹患してきたからね。今までは土壌還元消毒や緑肥を使って病気を抑えてきたが、今年は何もせずともまあできるだろうと思ってやったらこの結果。過信が招いた結果なので自分の責任です。

褐色腐敗病は50%広がっているので、このまま広がり続けるのは確実かな。涼しくなってきたのである程度のところで止まりそうだが、どちらせによ当初の計画は完全に狂ってしまいました。11月の霜が降りるときまで連続出荷する計画は9月で終わってしまいそうです。今年はなす産地が日照不足で市況が高騰しているのでチャンスだったのです。出荷すれば売れまくっていい感じできていたのに…、どうしようもないですな…。損失はウン百万…。はぁ。

農業はじめてうまくいった年なんて1回もなかったからこういうときはどうするかわかっている。

諦める

身も蓋もないですが諦めるしかないです。工業製品と違って基本的に1年に1作だから失敗すればそこで終わり。ギャンブルみたいなもんですね。どうしようもない。捲土重来、来年また準備して植えるしかない。

諦めてからは落ち込むのは一瞬ですぐに楽観的になるよう頭のなかを切り替え行動に移す。

「ラッキー!これで片付け楽になるし、原因わかってどういう対策すればいいかわかるから翌年は豊作間違いないな!次の作物植えよう!」

こういうふうにして切り替えています。無理矢理感はあるけどやっていけば自然とこういうマインドになるから不思議。自己啓発的だけど…。

本当農業は博打ですな。すすかびになるとかなら問題ないけど致命的な病気になったら半年かけて準備してきたことが一瞬でパアになる。それでも切り替えて次の野菜を育てようとするんだから…ギャンブラーの気持ちが理解できる気がする。

「これやばいな」と思ってからきゅうりの育苗をしていたのは正解でした。褐色腐敗病はウリ科のきゅうりにも影響するらしいけど、11月末までの収穫でいいのでなんとかなる。なんとかなるさ〜が大事です。

葉物と農薬

なすは残念な結果になったけど秋冬の作つけはほぼ順調。1番手の大根は発芽揃いほうれん草も順調に育ち、早生の白菜とターサイの育苗も順調なので月末には定植できそう。秋冬は夏と違って育苗するのが少ないから楽。直播きで植え付けられるのは手で直接巻いても負担軽いし、播種機使えば一瞬で終わるからね。

トマトとナスといった果菜類には農薬使うけど、秋冬の野菜には農薬一切使わない。オーガニック的な思想があるとか全然なくて「めんどくさい」からなのが理由。寒くなれば虫の動きは弱ってくるし、果菜と違って病気の種類が少ないから農薬使う必要性がない。いちいち動噴を用意してタンクに農薬溶かして防護服着て農薬散布するのめんどくさすぎる。

農家にとって農薬を散布することが最も重労働なので使わないでいいなら使わないです。ヘクタール単位でキャベツ、レタスとか作るとどうしても農薬ないとできないから使うだけで、使いたくて使っているわけじゃないことを消費者は知ってほしいです。

僕なんかは小さい農業やっているので、薬剤使わなくても団粒構造化した土ができマルチなどの資材使えば農薬使わなくても商品になる野菜ができます。

圧倒的自由

土地に縛られてほぼ毎日畑に行くけど圧倒的な自由が農業にはある。働く時間は自分で決められ、どこに何を植えるか決められ、人様の胃袋に入る食べ物を生産できるのだからマジで自由。古代ギリシャの哲学者が「農業は自由人の職業である」みたいなことを言ったというあやふやな記憶があるがよくわかる。嫌になるときも多々あるけどこれほどの自由を享受してしまったら、毎日朝出勤して夜遅くまで働き月曜から金曜まで働くなんて絶対できない。

どうせ働くなくちゃいけないなら農業一択。もちろん労働しないで遊べるのなら1000%働かないけど、農業は遊びの側面もありますからね。

うまくいかないことが連発しておりますが、続けられるのは圧倒的自由があるからかなと思っています。(多分)