無農薬でも慣行でもどっちでもいい

農薬を使わず野菜などを育て販売している「有機無農薬農家」は農薬と化学肥料を使う農家を批判する。一方、スーパーなどに売られている野菜を栽培する「慣行農家」も無農薬農家を批判し馬鹿にする。

「有機無農薬農家」は慣行農業は土壌を汚染し、人体に悪影響のある農薬と肥料を使うことへ疑問を呈して、自分たちは安心安全な作物をつくっている自負を持っている。

「慣行農家」は無農薬野菜は何を使っているかわからず安全の基準が不明瞭。販売するときに無農薬野菜と表記するのも農水省が定めるガイドラインに抵触しているのではと批判する。

僕は、有機無農薬農家であろうが慣行農家であっても、これだけ農業に従事する人がいないのに、くだらないことでいがみ合うのはバカらしいと常々思っている。

農薬を使わず化学肥料を使わないほうが消費者・生産者双方にとって安全性は高いのは間違いないが、農薬と肥料を使う作物が食べられないわけではないしおいしくないわけでもない。生産者は自分がやりたいほうを選べばいい。

自分の場合は、農薬と肥料を使わず作れる野菜は使わず、使ったほうが品質が保てる野菜については使っている「ハイブリッド農家」だ。高尚な理念があるなら別として、消費者、取引先が買ってくれる品質を保つことが最優先事項となるので、使うも使わないも品質で決めればいい。農薬は使わないほうが楽だからなるべく使いたくないですけど。

小さい生産者の世界で農薬を使う・使わない農家同士がいがみあい争うのは本当に無駄だ。揚げ足取りして誰も得をしない。お互いが悠々自適な生活ができるようになり、自分が目的とすることが達成できればいいじゃないですか。

パイの奪い合いをしても先はない。