百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

政治家になるのはなぜか

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先日、自民党の穴見洋一議員が肺がん患者に対してやじを飛ばす事件があった。

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彼は大分県1区選出の議員で、僕は1区ではないから関係ないが、県民として無能な議員を選んだことは恥ずかしい。反省もまったくしていないので本当に無能の一言ですね。

国会議員に限らず、政治家の失言・とんでも発言は今に始まったことではないので誰も驚きはしない。政治に期待することは何もないし、いい年したオッサンとおじいさんが喜劇を繰り広げているので、「バカだな」としか思えない。

一つだけ要望するのは、「俺達の邪魔をするな」ということ。国会で無意味な議論と茶番を勝手に繰り広げればいい、俺達の邪魔だけはするな。無駄な規制と無駄な介入はしないでもらいたい。堀江貴文を潰したようなことはするな。

ーなぜ政治家になるのかー

本当にわからないのは、なぜ政治家になりたい人は後を絶たないのだろう。落ちぶれた芸能人、二世三世の政治家、頭のネジが3本は外れた人、彼らは一体政治家になって何がしたいのだろう。

高度経済成長期と違ってゼロサムで使える金は限られている。利益誘導できるような財政的余裕はない。(安倍首相は堂々とやっているけど)良い政策を実施しても全員がハッピーになることはない。特定の層にはメリットがあっても、誰かは損をする。損をした連中からは恨まれる。

小泉内閣の「聖域なき構造改革」の中心人物、竹中平蔵は地方の土建屋から恨まれている。10年前は、竹中は地方に来ると殺される恐れがあったため、ボディガードつけて地方に来ていたそうだ。そのくらいの怨嗟があったわけ。

竹中は、インフラへの投資を削減、郵政民営化、特殊法人民営化、地方交付税・国庫支出金の削減と大幅な規制緩和を行い、官から民へと三位一体の改革を行った。

竹中が行った規制緩和は、都市部の住民にはメリットがあった。財源のほとんどは都市部、特に東京で稼いだ金で、その金を地方へ移譲し、公共投資につぎ込んでいた。都市部の人たちにとっては「なんで俺達が稼いだ金を地方へ回すんだ。どうせ無駄な道路や橋しかつくらないのに」という声を構造改革は拾った形になった。

その代わり、地方は損をした。先述したとおりとくに土建屋は倒産が相次ぎ、自殺者も出た。仮に構造改革を実施していなくても地方経済は疲弊していただろう。小泉・竹中は地方経済の衰退を早めただけにすぎない。

小泉・竹中の構造改革をみればわかるとおり、絶対に全員が得をする政策はない。誰かが得をし誰かが損をする。利益があれば支持をされ、不利益を被れば支持されないどころか激しく恨まれ一歩間違えれば殺されるリスクだってある。アベノミクスも同様に、富裕層や補助金で食べている層にメリットはあるが、90%近くの国民にとっては恩恵はない。それなのに政治家になりたい人は後を絶たない。本当に不思議でならない。

国会議員なら年間2000万、地方議員なら600万くらい稼げるから?まともに政治すれば金がかかるからそれくらいではやっていけない。金を稼ぎたいならビジネスしたほうが絶対に儲かる。経済的利益は現代の政治家にはない。

じゃあ何があるのかと考えると、公共心や崇高な目的のためくらいしか思いつかない。そうでないと政治家になるメリットない。自分の人生を投げ捨て公共の福祉、もしくは国に尽くす強い気持ちがないとやれないのが現代の政治家だと思うが、現実の政治家は全くその影すらみえない。だから、まったくもって彼らが政治家になった理由はわからないというのが結論になる。

ー政治家に「なる」のではなく「仕方なくなる」ー

政治家になりたい!じゃなくてみんなから何回もプッシュされても断り続け、「仕方ない、これだけみんながなってほしいならメリットないけどやってみるか」と最後には折れる人物が政治家として適切だ。

政治家は政治家になるための職業じゃない。二世三世、意味不明な芸能人たちの食べる場所じゃない。「職業としての政治」が消滅しないと政治は多様化した社会構造に対応できず、無視され続ける。その先にあるのは何かわからないが、あまりいい未来は想像できない。

自ら政治家になりたい人がいたら、なぜ政治家になりたいのか自分自身に問うて欲しい。

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