自殺率が高い農業、それでも農業は悪くない
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ジム・ロジャーズ「お金の流れで読む日本と世界の未来 世界的投資家は予見する」を読んだ。アベノミクスは投資家にとっては非常に良い政策だが日本国民の大多数を不幸にする。将来「安倍は日本を壊したと言われる」。南北朝鮮は統一し最も有望な投資国となる。中国はアメリカの次の覇権国となる…と刺激的な内容になっている。日本については少子化、高齢化、借金だらけの放漫財政、青天井の社会保障費だからいずれ破綻する。「自分が10歳の日本人なら直ちに海外へ脱出する」とのこと。
基本的に海外へ脱出したほうがいいというスタンスだが、国内に残るならどうするのかということも書かれていた。
ジム・ロジャーズいわく、観光、教育、農業が有望だとのこと。農業に従事している身としては「よくわかっとるやないか」と上から目線で頷いた。農業者の平均年齢は70歳。あと10年すれば80歳になる。80にもなってバリバリ働ける人は少数だから10年間で一気に人がいなくなる。跡継ぎ息子たちはサラリーマンをしていて継げる能力はない。耕作放棄地も減ることはない。
これだけみると農の未来は明るいとはいないが、人がいない、農地は空き放題、資材は余っているとなると競争相手がいないとも言える。能力がないボンクラでもやっていけるチャンスは大いにある。農業技術はなくても売る力があれば成功することもできる。ジム・ロジャーズも日本の農業(米)は庇護されていて競争力がなく、やる人が誰もおらず食べることは国がどういう状況になっても必要だからチャンスは十分にあると書いていた。(庇護されているという意見は間違っている)
ただ日本に限らず農業従事者の自殺率は非常に高い。ジム・ロジャーズも言及している。
スイスでは地方在住の自殺率は低下しているものの農業者の自殺数は37%高い。
アメリカでも農業者の自殺率は他の産業に比べて劇的に高い。
農業、漁業、林業に従事する人の自殺率は、10万人あたり85人と劇的に高く、特に男性では同90.5人と、さらに高かったという。…農業従事者の場合、社会的孤立や精神医療を受けたがらない傾向があるほか、農薬曝露による神経系への影響がうつ状態に寄与している可能性もある
農業は自然と向き合って生きるといえばかっこいいが、孤独になって孤立するともいえる。日本だけでなく他の国でも傾向は似ている。アメリカのCDCの調査で「農薬曝露による神経系への影響」は使用した経験からあるだろうなと思う。農薬を使わないオーガニック界隈でも自殺者はいるから農薬が全て原因ではないけど。
自殺する最大の原因は資金繰りだ。間違いない。普通に生産して売るだけじゃ食っていけないのは自明。外国でも同じなんだろう。
自殺が多いところだけみれば農業・第一次産業は従事しないほうがいいが身の丈にあったこと、もしくはビジネスできる意欲・能力があればやれる素地は十分にある。食っていけないならバイトして生活費を稼ぎ野菜はあるわけだから食うには困らない。インフラは整備されているわけだからどうにでもなる。どうしようもなくなったら誰かに助けてもらえばいいし、やめて違うことすればいい。自殺率が高くても農業は悪くない。
ハノイに金正恩が到着しトランプもアメリカを飛び立ってベトナムへ向かっている。今回の首脳会談で朝鮮半島終戦宣言もするそうだ。金正恩は開国して外国からの投資を受け入れるだろう。アメリカ、ロシアなど大国は虎視眈々と経済機会を狙っている。ジム・ロジャーズの言うとおり政治的にも経済的にも南北統一したほうが理にかなっているから統一は時間の問題だろう。日本の政治層と一部の国民は韓国を敵視しているようだが、当の韓国は日本を相手にしていない。大好きなアメリカも日本より韓国、北朝鮮、中国、東南アジアのマーケットを重視している。過去の成功体験にとらわれ外国を敵視し外部を受け付けず現実を直視できない国は滅びてきた。歴史が証明している。
外部の変化を受け入れるのか、それともこのまま現状維持で死を待つのか。僕はもちろん前者だが、国のことに関係なく自分のやるべきことを続けるまでだ。農地買いまくるかな。
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