百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

農業をする人が減るのは必然

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農業に携わって日は浅いものの農業人口が増えることはないなと思っている。産業構造が変わって第一次産業の人手は大幅に減少したことは除いても、増えることは考えにくい。

基本的に農業は田舎ですることになる。都市に隣接した農家はそれほど多くない。田舎でやるのが問題で、ただ農作物を育てて販売するだけなら自由で楽しくやれる。他の農業従事者はわからないけど、僕の場合は都会のど真ん中で畑を耕せたら最高のになあと常々思ってしまう。

農地を借りてやってトラブルを経験したことのない人はまずいない。田舎の農地は地主の力がとても強い。耕作放棄地にして荒れ放題のままの場所を開拓して作物を育てたとしても「あ、もうウチに返してね」の一言で終わってしまう。反論しようが何をしようがどうしようもない。地主は神様だから小作人にはどうしようもない。(地主から農地を借りてやる人のことを21世紀になっても本当に小作人という…)地主は協力的でも子ども、親戚が難癖をつけてきて返さないといけなくなることもあるから難しい。子どもは都会にいて田舎のことについて無知だったとしてもどうしようもないわけですな。

他にも隣の農地のオッサンとトラブルになって村八分にされて住めなくなるとか…。色々なパターンがある。農地を購入したら追い出されることはなくなるが、水、普請、補助金とまあいろいろな役割が回ってきて、農業以外のことで忙殺され疲弊して就農をやめることもあったりする。

田舎で農業をするということは、予想もしないことが外からおそってくるということ。新規就農して辞めるのは農業で食っていけなくなることより、田舎独特の問題のほうが多い。公的な統計は知らないが、僕が知りうる範囲では後者のことしかほぼない。食っていけなくなって離農したのは無農薬栽培の人たちだけかな。

都会育ちで田舎のことを知らない新規就農者は戸惑うことばかりだろう。ネットがあって情報収集が容易にできるとはいえ、頭のなかでわかるのと実際に経験するのでは雲泥の差。答えがないからその都度対応していくしかないから、なんとかなるときもあればどうにもならないときもある。どうにもならなくなったときは、なるべくすぐその場から逃げて、新しい農地を探すかもしくは別の人生を歩むよう切り替えるのが一番。ひきずってズルズルいくと底なし沼にはまって本当にどうしようもなくなる。あと20年もすれば田舎独特の問題は消えてなくなるだろうから、それまでは田舎独特の問題は「そういうものなんだ」と思うしかない。理不尽なことがあってもだ。まあ田舎独特の問題は理不尽なことしかないからね…。

女性や若者が自由にのびのびと生きるのがまだまだ難しいのが田舎だから、人口減少・流出に歯止めがかかることはない。田舎が江戸時代から文明開化しないことには、補助金を入れようが子育てやりやすいですよアピールしようが増えることはない。

田舎で農業、農業しなくても田舎で生活したいなら中途半端なところより、数年後には消滅するような場所を選ぶことを勧める。中途半端なところだとまだ元気な集落の方々がいるから何かといろいろ起こるし、理不尽なこと多い。消滅しそうな集落なら元気がなくて手と口を出してくる率が大幅に減るからやりやすいというのが結論です。