百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

恩恵がないのに安倍政権を支持する人たち

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貧困層、中間層、若者が安倍政権を支持する理由は何一つないんだが、2012年の首相復帰以来高支持率を維持している。妄信的に支持する層はアレだから別として、「他に適当な人がいないから」「就職が好調だから」といった理由で支持をする人たちは自分たちの置かれた状況をポジティブにみているのだろうか。

アベノミクスは、金融緩和、財政出動、成長戦略の3つの矢を柱に構造改革を行い経済を回復させる目的で行われてきたが、失敗に終わっている。「大胆な金融緩和」は市場に大量のお金を投資して株価が上昇したのでうまくいった。日銀が日経225の半分の筆頭株主になり企業を支え、国債の財政ファイナンスまで行い支えているから当然の結果といえよう。年金まで使って株を買っているからね…。

最も重要な成長戦略は絵空事に終わっている。最初からわかっていたことで、安倍首相とそのお友だちは憲法改正をすることが最重要目標なので、産業構造を改革して経済を回復させることは憲法改正の手段でしかない。だから既得権益層を退場させ新規参入を促すといった面倒で大変なことはやらない。既得権益に有利な政策をやったほうが楽で、政権を維持しやすい。

現状維持ということは、女性、若者、高齢者、貧困層、中間層といった層は恩恵を受けるどころから被害を被るのは明らかなのに、支持を続けるのが不思議だ。政治に関心がないのも同じで、貧乏で余裕がない人ほど政治に関与しないと生きていけなくなるのに、そういう人ほど政治に無関心なのが現実。休みなく朝から晩まで働いて考える余裕がないから無関心になるのだろうけど、あまりに関心がない人が多い。

安倍政権を支持しないので多いのが高齢者。田舎の高齢者は自民党は支持しても安倍は支持しないという人が多い。金融資産がある高齢者ほど支持せず、貧乏な若者ほど支持しているというのは皮肉でしかない。

民主党政権時代に少しだけ上がった実質賃金は安倍政権以降下落を続け、失策を隠蔽するために基幹統計まで官僚に不正をやらせるような連中が長期政権を続けているのは、バブルが崩壊して新しいシステム、規範を模索せず、未来の資産を食いつぶして無理やり現状維持をやってきたためだ。内に内にこもり外部への適応を拒絶すれば衰退するのは必然。

ただ、30年間の失策のツケはここにきて限界を迎えている。安倍政権がどうであれ内部の歪みと外部からの圧力は止めようがない。いきなり大きな変化を迎えるか少しずつ変化していくかどうかわからないが、どちらにせよ国、個人双方変化に対応していく以外ない。

参議院選を前にして、トランプ来日、芸能人との交流、大手規制メディアへの介入により支持率を上げているので、よほど何かないかぎりこのまま圧勝することになるだろう。支持率を維持するためなら何でもするやり方だけは評価している。露骨ながらも露骨だからこそ功を奏している印象。どの国民をターゲットにすれば権力を維持できるかよくわかっている。

このまま現政権は安倍が自民党総裁任期を終えるまで続くことになる。恩恵どころから経済的、政治的、不利益を被っている支持者たちは、自分たちが大損をしていることに気づかないし、気づこうともしない。

安倍政権は、中身はスカスカで国・社会の没落を加速させたが、政治マーケティングのプロだったとして後世の歴史に残ることになるだろう。

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