百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

正しいと信じていることをやった結果、予想もしなかったことが起こる

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悪者

Space Engine

自分が生まれた30年前と比べて予想だにしないことがあっちこっちで起こってカオスが展開されている。旧来の秩序が崩れ、不透明な未来が我々を不安に駆り立てている。インターネットの普及が最も大きいだろう。2000年はまだインターネットは社会インフラにはなっていなかった。「グーグル検索すごい」と言っていた連中は「パソコンおたく」で、なんだか怪しいイメージをもたれていた。あれから18年経ってネットは欠かすことのできないインフラとなった。アップル、グーグル、アマゾン、フェイスブックは生活のなかに組み込まれている。

4社はベンチャーから始まり起業家たちが強いモチベーションと優秀な頭脳、異常な情熱をインターネットに注いだ結果、世界的な大企業となった。一般人は彼らが何を考え目指しているのかインタビューを見てもほとんど理解できない。不老不死を本気で実現するために研究所を立ち上げたり、完全自動運転を開発しようとし、自宅にいながら消しゴム一つから購入できたり、個人のプライバシーを社会の発展のために利用したりと凄まじいことを現実化させようとしている。

彼らのやっていることが社会にどういうインパクトを与えていくのか全然わからない。AIが雇用を奪い人類を殲滅しようとするのか、はたまた労働から開放され誰もがクリエイティブに人生を謳歌できるようになるのか、やってみないとわからない。上記の4社は既存のルールを逸脱して革新的なことを実践するので、様々な利害とぶつかっている。グーグルは独占禁止法とプライバシーの問題でEUから制裁を与えられ、フェイスブックはユーザーの個人情報を一般企業に流用したり、大統領選挙でフェイクニュースを拡散、人種差別的な広告を流したことが問題となり市民やメディア、アメリカ議会から厳しい追求を受けた。

元起業家たちは恣意的に問題とされる行動を行ったのだろうか?自らの考えが正しいと思ってやったことが予想しない形で問題視されただけだと推測している。悪意を持ってプライバシーを外部に渡したわけではなく、社会の発展に繋がると思ってやっただけではないだろうか。彼らは誰も想像できないことを実現させた。既存の価値やルールと衝突するのは避けようのないことではないか。

誰もが正しいと信じたことをやって対立したときにどう解決するのか

大企業や起業家だけではなくあらゆる場面で利害がぶつかり対立している。

安倍総理は自民党総裁選で勝利し2021年の任期満了まで首相をすることになった。何事もなければ9年間の長期政権となる。安倍首相の経済政策、歴史認識、外交安全保障、メディアで発する言葉のどれも支持できない。なぜほとんど誰も得をしない政策を続けるのか理解できないが、首相もまた自分のやっていることは正しいと本気で信じているのだろう。国民を貧乏にしようとはまず思っていないはずだ。

安倍政権についてネットを眺めると左右で激しい対立が起こり議論は成立していない。同じ政策でも違う数字を持ち出し、捉え方が違う。前提となる条件が異なるので議論が成立しない。

田舎では人口が急激に減少し、若者はおらず70歳以上の高齢者が人口のメインとなっている。限界集落では地域を維持するため都市の若者をあの手この手で呼び寄せようとしている。ただ内部では「移住者を積極的に呼び長く住んでもらおう」とする人たちと「他所のものが来て自分の生活をかき乱れたくない」と思う人たちで対立している。この場合、コミュニケーションを図っても聞く耳を持たないことが多いし、生まれてからほぼ固定メンバーで生活してきているので、言いたいことを言わないようなコミュニティが成立しているので一長一短にはいかない。

家族も、父親は正社員のフルタイムサラリーマン・母親は主婦でパート、子ども2人といったモデルは消滅し、子どもをイエに縛るようなことをすれば親と子が対立する。また非血縁家族も増え多様化しているので血縁家族以外を認めることができない人と多様化を推し進める人たちとの間の対立もある。

対立から和解へと導くにはコミュニケーションをすることと時間の経過を待つといった身も蓋もないことしかない。コミュニケーションが成立しなくてもストップしたらそれ以上の進展はない。相手の価値観や考えが理解できなくても、「あなたの考えは理解できないが、あなたが考えは認める」ように仲良くするのではなく、ほどほどの距離感を保つことではないか。学校のイジメはクラスのみんなと仲良くしようとするから起こるわけで大学に行けばクラスがないのでイジメはない。

コミュニケーションを図っても対立が続くようなら時が過ぎるのを待つしかない。時間が経てばそれぞれの立場は変わるし歳もとり環境が変わる。昔激しく対立しても時間の経過と共に怒りが鎮まり歩み寄ることができるのは多くの人が経験したことがあるだろう。世代も変わり新しい世代の価値が当たり前のように受け入れられるのも時間の経過を待つメリットだ。

世界は終わらない

ツイッターのタイムラインで、歳を重ねると知識と情報が増えるため、今の社会は悪化しており「終末論」的な考えに陥りやすいとあった。ネットでいつでもどこでも情報を入手することができ、自分の考えをブログなどで簡単に発信することができるため極端な意見に誘導されやすい。

でも多くの人が世界の問題を認識し、貧困や無知は減っている。我々の世界は前進と後退を繰り返しながらも少しずつ良い方向に向かっている。20年前引きこもりは怠け者、甘えているだけとされていたのが支配的だった。今では引きこもること個人ではなく社会の問題とされ引きこもること自体をポジティブに受け止める流れもできてきた。

変化の激しい社会だが、人類はそこまで悲観的にならなくていい。楽観と悲観の間でいよう。