百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

耕作放棄地解消と土地所有者の権限を弱める

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畑やっているところは耕作放棄地がたくさんある。土地所有者は田舎にいても畑をやる意思はまったくない。後継ぎはいても農業をやることはまずないから5年もせずに僕の周りで畑をやる人は2人しかいなくなる。

耕作放棄されたところで畑を1人だけでやるのは無理。イノシシのすみかとなり虫が多発するため。

放棄された土地を借りる、もしくは買おうとしても簡単にはいかない。

「来年はやる」

「放棄していない」

「長男が帰ってきてやる」

主だった理由だとこのあたり。もちろんエクスキューズでしかなく誰も耕すことはないしこの先使われることもない。目先のお金しか頭にないから田舎は衰退して本当に消滅カウントダウンが始まってしまった。

田舎の土地は先祖代々のしがらみがあるからトラブルになることを恐れる。「どんどんやってくれ」と次々と貸してくれるところもあるが、タイミングと土地柄でどうなるか左右されてしまう。

残念なことに、日本の農地制度は地主に圧倒的な権限を与えている。畑をやらなくても所有するだけで毎年お金がもらえる。そもそも固定資産税がタダみたいな値段だから放棄しようが気にしない。放棄しても罰則もないから地主たちは気にせず放棄する。

新規就農者が土地を借りる、もしくは買うのは簡単なことじゃない。畑を管理できない新規就農者は論外として、管理できる技術を学んでいるのにもかかわらず借りれない購入できない新規就農者はかなりいる。

農業改革で最重要に解決しないといけないのは土地制度だ。地主の権限を弱め、耕作しない土地には優遇措置をやめ多額の税を課せばいい。草だけをかって「畑をやっているようにみせかける」ようなことも容認すべきではない。耕作放棄する地主に対しては、ゼロトレランスでいい。そうすれば放棄地は間違いなく減るし、面積を拡大してビジネスとして成功させたい新規就農者、農業者がどんどん増える。

農業の平均年齢は70歳を超えて、政治的な力も弱くなっている。変革するなら今だ。今しかない。10年後に10年間放棄された農地を元に戻そうたってほぼ不可能。

政治家は地主の権限を弱め、農地を借りやすく、買いやすくするように法改正を行なうべき。現行のように借りにくく、買いにくく、江戸時代の封建的制度のままでは農業が産業になることはない。牧歌的な時代はとうに終わっているのだから。

政治に期待はしてないが、農業の状況を変えないと食料保障できなくなるよ。

現場としては諦めず周りの放棄地を耕作できるようやっていくだけ。それしかない。