百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

中山間地域の農業

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中山間地域は山が深く農地は狭くて集約化が難しい。段々畑を区画整備して一つの畑にするのは相当なお金がかかるし、そもそも一つにするのはできない。平地のだだっ広い畑で野菜やお米をつくるより手間が2倍4倍かかる。

耕作放棄地は年々増える一方で畑より田んぼのほうが放棄されるスピードが早い。西日本と東日本を比較すると、西日本は耕作放棄地が増え続けて減る気配はまるでないものの、東日本は耕作面積が増えており放棄地は増えていないようだ。理由は関東、新潟、東北、北海道のコメ産地はいずれも平野だからだ。大型の機械が使いやすく管理しやすい。

西日本は米を諦めて畑への転作を実施している。国は減反政策をやめたが飼料米や畑への転作を行っているから減反と本質は同じだ。だが、農業者の平均年齢は70歳を超え、後継ぎがいないなかで大規模化して畑への転作するのはとても難しい。放棄された農地は使い勝手が悪くて誰もする人がいないから捨てられるわけだから、そこをわざわざ畑へ転作するインセンティブはない。転作したら補助金がもらえても国や地方自治体か計画するように進むことはまずない。

農地はタダ同然だからやるハードルは下がっていても田舎ならではの人間関係が介在してくるとややこしくてめんどくさい。

この前、2年前に放棄された場所を借りる、もしくは購入しようと動いてみた。ややこしいのが、所有者は農地を全く管理しておらずAさんに貸していた。Aさんも管理するのを随分前にやめて知り合いのBさんに又貸ししており、Bさんが耕作するのをやめたことになる。

こうなると所有者、A、B、3人に話をつける必要がある。もうすごくめんどくさい。所有者だけ落として登記簿変えようかと思ったが、もし変えたとしてもその先トラブルになる可能性高いので手をつけるのは一旦諦めた。農地を又貸ししているのも契約書は一切なくて口約束だけだからなお厄介。

21世紀、2019年になっても農地は農業を全くやっていないにもかかわらず所有者が圧倒的強者だ。僕のようなのは小作人。冗談じゃなく法的に小作人と呼ばれる。すでに終わったシステムいつ変えるのかね…。

中山間地域は消滅するところが一気に増えていくことは決定しているので、生活してる人、したい人がどうやって維持していくのか考えないといけない。夏の間無限に続く草刈りを四六時中できないから機械導入したり、外から人を呼び寄せてかってもらったりして頭を使わないとやっていけない。幸いにも農業体験をやりたい人は一定数いるのでなんとかなると思っている。

田舎の夏はやることが多いけど自然に立ち向かっていくから充実感ある。いまはある資源を使ってこれからも中山間地域で豊かに生きていけるようやっていきたい。

暑くなったので体に気をつけて農作業しよう。

Summer Rice