百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

なぜ多くの若者はセックスを「めんどくさい」と感じるのか

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<めんどくさいと感じる理由>

TwitterのタイムラインをみるとEconomistの"many younger Japanese see sex a "mendokusai" or tiresome...が流れてきた。

17世紀から続く歴史、経済の衰退、アメリカの占領、高齢化と様々な要員を理由に挙げ、若者がセックスを「めんどくさい」と感じる一方で、メイドカフェに行き、ポルノサイトは世界で4位の閲覧数ということを報じている。

過去にもイギリスの新聞で、若者の草食化が進行している記事が特集されていた。日本人の若者がセックスをしなくなっているのは驚きなのでしょう。

人間の三大欲求は、食欲、睡眠欲、性欲なので欲求の一つが減少しているのは、何らかの社会的要因が原因にあると考えるのは自然なことだ。

現代日本はあらゆる物が安く手に入り、物に困ることはない。食料も同じで、金がなくても栄養状態を保つのに困ることはない。古代から近代までは一部のエスタブリッシュメントに富が集中し、庶民は困窮した生活をするのが普通だったし、70年前までを振り返っても戦争して極貧な国民が大多数だった。歴史的にみて最も恵まれた時代にいることは間違いない。

食料を獲得するために四苦八苦しないなら、余暇は増えるはず。余暇が増えれば、デートに行きレストランに行ってご馳走を食べたりして性欲を満たす行為をして「めんどくさい」と思わないはずだ。それでもEconomistに言われるまでもなく、セックスをしない若者は増加している。

大きく2つの原因があるのではないでしょうか。一つは、物質が満たされネットが発達したこと、もう一つは、劣悪な労働環境だ

物質が満たされネットが発達したこと

生まれたときから物に溢れ困ったことがない。僕らより下の世代はインターネットが当たり前のようにありスマホでいつでもどこでも世界中の情報にアクセスできる環境で育っている。今のデジタルネイティブの子たちは、「石の上にも三年」我慢しなくても俺は何でもできるから、というある種の全能感がある。

彼らは無駄なことをしたがらない。(自分もそうだ)例えばスポーツの練習のときコーチから指示をされても、「なぜその練習をするのか?どういう意味があるのか?」と疑問に思ったとする。昔なら指導者に聞くしかなかったし、だいたいそういう質問をしても「俺の言うことを聞け!」と頭ごなしに押さえつけ終わっていた。

今の子どもたちはネットで調べて、この練習はどういう意味があるのか情報入手することができるうえ、もっと優れた練習を瞬時に入手することができる。そうなると情報の非対称性は失われ、きちんと手短に説明できない指導者は選手からの信頼を失う。

スポーツに限らずあらゆる分野で同じようなことが起こっている。特に先端分野は顕著だろう。

ネットから何でも瞬時に情報が手に入るなら、セックスより刺激的で楽しい情報を若者たちがみつけても不思議じゃない。YouTubeやインスタ、tik tokなどのSNSがそうだろう。自分自身もそちらのほうが楽しい。

ドイツでは、5人に1人の若者が1年間ネットを我慢するよりセックスを我慢したほうがマシだと考えている調査があるくらい、先進国では「セックス離れ」が進んでいる。

www.afpbb.com

インターネットはセックスと同じそれ以上の快楽をもたらせていると考えていいのではないでしょうか。

劣悪な労働環境

劣悪な労働環境がセックスを「めんどくさい」原因となっているのは日本特有の現象と考えていい。他の国では危険な仕事や非合法な仕事だと劣悪な労働環境はあっても、一般的な仕事では劣悪な仕事はない。

長時間労働、残業、休日出勤、有給の未消化、病欠休がない、育児休暇制度の形骸、正規非正規の格差、単身赴任、男女不平等、パワハラ、セクハラ、過剰なサービス、過労死・・・と異常な労働環境が常態化している。このような労働環境では、仕事で疲弊してとてもじゃないがセックスをする体力や気力はなくなる。

「物質的に豊かになれば余暇が増える」と書いたが、それは日本以外の地域の話で、日本では物質的に豊かでも余暇がまるでないという摩訶不思議な状態になっている。

<「めんどくさい」はなくならない>

日本の若者がセックスを「めんどくさい」と感じているのは、インターネットの発達に劣悪な労働環境が加わることが原因であることを書いた。

労働環境を他の豊かな国と同じように整備すれば、性へのモチベーションは増加する。

しかし、VRなどのインターネット関連のイノベーションは想像を超えるスピードで進化しているので「めんどくさい」はますます進むだろう。

セックスを「めんどくさい」と感じしないことは問題なのだろうか?日本という国単位で考えれば問題なのかもしれないが、世界の人口は爆発的に増加している。僕たちの人口が減っても全体をみれば人類の生存に貢献していると考えることもできる。

現代の若者たちは新しい人類の第一世代といえるのかもしれない。

Sarah Working in VR