百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

入院するたびに1000円を徴収される

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80歳以上しかほぼいない限界(消滅)集落に引っ越してから色々なことがあった。田舎でも更に田舎に行くと決めてからある程度謎の慣習があることは覚悟していたが、いざ直面すると江戸時代にいるなあと実感する。

年寄りしかいないから「足が悪い、内臓が悪い、何が悪い」とみんなどこかに病気を抱えている。病院にお勤めされるのはもちろんのこと定期的に誰かが入院する。引っ越してまだ1年も経ってないがすでに5人も入院している。(社会保障費減るわけない)

入院することは特段問題ないのだが、入院するたびに1000円を徴収するのは勘弁してほしい。正確には、短期間の入院(2〜3日)ならお金をとられず10日以上の長期入院になると払うことになる。集落1戸につき1000円を払うから結構なお金だ。

もちろん謎の1000円を払うのは納得してない。波風立てると面倒だから放置している。

こっちに引っ越したとき集落の長から理由は聞いている。

昔は「おみまい」として食べ物を渡していたが、時代の流れとともにお金を渡すようになったそう。最初は3000円!!も渡していてしかも個別に渡していた。

「高いですね」と言うと、「高齢者が少なくて入院する人も年に1人いるかいないかだったから3000円でも良かった」と言っていた。高齢化が進み入院する人が増えると個別に持っていくことも億劫になり金額も大きいから、入院するたびに集落の1人が1000円を徴収する形になった。

お金で済ませたほうが楽という考えですね。小さな集落だし来たばっかりの自分にはわからない阿吽の呼吸がある。変えようとするとものすごーーーーーくめんどくさい労力を使わないいけなくなるので放置するのが一番。中にはお金を渡す習慣をやめようとする動きはあって、「みんな入院するから1000円払ってもプラマイゼロだけど、あんたは負担が大きい。年寄りしかいないからもうやめていいんだけどねー」と言ってくれる年寄りもいる。

多分5年以内にはなくなると思う。入院するたびに1軒1軒回って徴収するのも大変だし、人もいなくなるから物理的に無理になりそう。実際にそれ以外の慣習は高齢化しすぎてやめたことばっかりだからね。

少しずつ確実に陽は沈んでいる。完全に落ちたときにここに住めるかどうかわからないが、今種を播けばどうにかなると思っている。田舎に来て「ムラ作り」をやろうとしている人は日本中にいる。技術がなく田舎がどういうリズムで動いているか知らない連中ばっかりだから99%失敗する。僕は村を作りたいとは思わないが、田舎で生きていける技術を身につけ何が田舎で生きていくうえで必要なのか実務で知るようやっていくだけだ。

理念より実践。1000円徴収されてもめげずにやる。(財布は空っぽになるからいたいぜ・・・)

Temple mountain