百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

突発性難聴になって完治した記録

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突発性難聴について、経緯

昨年、突発性難聴になりました。「突発性」と病名につくだけあって突然前触れもなく発症しました。

突発性難聴は発症すると治療しても、60%が悪化して治らないか、何らかの障害を抱えるという厄介な病気です。(ネットで検索すると30%が治り、30%が何らかの障害、30%が悪化すると基本的に書かれていますが、主治医からは60%と言われました)

最初主治医のところに行き「治療しても治るかどうかわからない」とはっきり言われ、不安になりましたからね…。

原因は、ストレスと過労、ウイルスのどちらかと言われていますがはっきりしたことはわかっていません。最近だと、元サッカー日本代表の戸田和幸さんが「急性難聴」を発症しましたが、急性の場合は過労であることがわかっているようです。

突発性難聴になったときのことははっきり覚えています。

12時くらいにご飯を昼ごはんを食べ、食器を洗い、一休みしようと思った矢先に右耳から「キーン」という高い音が突然きこえてきました。本当に突然でした。そのときは軽い風邪を引いて治りかけのときだったので、風邪が原因か飲んだ薬が悪かったのかなと思い対して気にしていませんでした。

それから夕方になっても右耳から「キーン」音はなり続け、たまに「ピン」という高い音が瞬間的に鳴り始めたので「はっきりこれは何かおかしい」と思いました。

夜寝るときはなんとか寝れましたが、耳鳴りのせいで夜中2回くらい起きて少し寝不足でした。

発症した翌日は土曜日だったので月曜日に病院に行こうと思ったのですが、朝起きてあまりに耳鳴りが酷かったのですぐに耳鼻科に行くことにしました。たまたま受診した病院が土曜午前中診療していたのでラッキーでした。

突発性難聴が完治したと思われるいくつかの要因

結論から言うと僕の場合約20日間で完治しました。60%は何らかの障害が残る突発性難聴で1ヶ月も経たず完治したのは運がよかったとしか言いようがありません。

運だけではなく完治することができた要因は4つ考えられます。医師の話と自分が経験したことから理由を挙げます。

 1, 症状が軽かった

2回目の受診のときに医師から言われたのですが、普通突発性難聴を発症して数日後は症状が悪くなるそうです。具体的には、耳鳴りが酷くなってほとんどきこえなくなる、ひどい吐き気やめまいがするといったところです。

僕の場合は発症し3日たっても症状は悪化せず、むしろ右耳からきこえていた「キーン」音が小さくなりました。吐き気とめまいもありませんでした。

医師から「あなたは軽い突発性難聴です」と言われましたからね。

2,  発症してすぐに受診した

右耳から耳鳴りが鳴ったのが12時すぎで、病院には翌日の朝には行ったこともよかったです。医師は、「1週間以内に来れば治る可能性が上がる。早ければ早いほど良い」と言ってました。

3, 年齢が若かった

 30代前半だったことも完治した要因です。若ければ若いほど治る可能性は高くなり、逆に年齢が上の方になるほど完治は難しくなるそうです。医師は「55歳を超えるとほぼ治らない」と言っていました。

4, 医師が経験豊富で病院の設備が新しかった

受診した耳鼻科の先生が20年以上大学病院など大きなところで働いていたことも完治した要因だったのかなと思っています。田舎の個人開業医で都市部の大きな病院で最前線で働いて開業する医師は少ないですからね。

病院も最近できたので設備も新しかったことも大きいですね。検査設備がしっかりして正確な検査ができたのがよかったです。

突発性難聴の治療の中心はステロイドです。症状が重篤な場合は入院して毎日点滴をするそうです。僕の場合は軽度だったので経口薬でした。

・プレドニン(ステロイド)

飲み始めて3日間は6錠。それから5日間は5錠。その後1週間は2錠。そして最後は1錠を3日間服薬しました。ステロイドは治ってもすぐにやめるのはできないので少しずつ量を減らして終わりました。僕の場合は、副作用はありませんでした。

・アデホスコーワ

心臓の薬です。

・メチコバール錠500

自律神経の働きをよくする薬です。

・イフェンプロジル酒石酸塩錠20mg

脳梗塞のあとに脳の血流を良くするために使われる薬。

ステロイドを含め計4つの薬を飲みました。ステロイド以外の薬は朝昼晩毎食後飲み、ステロイドが終わったあとも1週間程度は飲み続けました。

自分で実践したこと

突発性難聴については病院に行ってはじめて知りました。知識も情報もなかったのでネットで片っ端から調べました。治るかどうかわからない以上、西洋医学だけでなく他の効果があるかもしれない方法を取り入れたいですからね。

・youtubeでみた整体

首筋の太い筋肉をつまんでこするやつ。やってみた感想としては、自分でやるより誰かにやってもらったほうが気持ちよかったです。効果があったかどうか不明ですが、単純に気持ちよかったですね。

・youtubeの耳鳴り専用セラピー音楽。

これ非常に良かったです。音楽聴いて治ったわけじゃなくて、常時右耳からする「キーン」音がほとんど聴こえなくなってストレスがかなり軽減されます。万人に効果があるかわかりませんが、おすすめです。不思議なことに完治してからはこの音楽を聴いてもなんともないですし、むしろ不快になりますね。

・温泉に行ってストレッチをした

温泉はもともと好きだったのでリラックスするために通いつめました。お湯が流れる音、換気扇の音、露天風呂から聞こえる鳥の音が耳鳴りを打ち消してくれとてもリラックスできました。温泉が近くにある方はぜひ行ってください。もちろん行けるような体調であることが前提です。

湯船のなかでストレッチもよかったですね。体が軽くなるし、良いことしている感覚があるのでリラックスできました。

実践したことが正しかったのかは別として、なるべく日常生活を変えずに普段よりリラックスできるようにすることが大切なのかなと思います。自分なりのリラックス方法を探してやってみましょう。

ネットで参考にした媒体

ソースがわからず、クレジットがない情報は参考にしませんでした。無数の情報があるネットでは何が本当で嘘かを判断するのかは非常に重要です。とくに医療に関することは危うい情報が多くあるので、正確な出展先でないと見る価値はないと思って間違いないです。

www.e-healthnet.mhlw.go.jp

厚労省のホームページ。書いた医師の情報と顔写真も掲載されています。

www.ohkawara-clinic.com

東京日本橋にあるクリニック。受診した医師が言っていたこととほぼ同じ内容のことを書いてあるので参考になりました。

www.kindai.ac.jp

近畿大学。書いていることは少ないですがシンプルでわかりやすいです。

この3つで突発性難聴がどういう病気なのかわかります。

突発性難聴を発症した方たちのブログも参考になりました。治るのかどうか不安ですから、実際に体験して完治した方、もしくは完治しているかわからないけどこういう経験をしたよというのは勇気づけられました。

blog.goo.ne.jp

トリニータが好きな方の体験記。僕よりひどい状態で入院までされています。この方の前向きな内容で勇気づけられました。

chick-chick-picnic.com

突発性難聴になってすぐに病院に行ったら翌日には治ったという方のブログ。これ読んで「自分も絶対に治すぞ!」と思いました。

soundengine.jp

突発性難聴になった自身の症状を詳細に記した方のブログ。

私の場合は、だんだん悪くなりつつある症状から一転して治っていくような気がした瞬間があった。

それは炭酸飲料を飲んでいた時のこと、突然頭の中を空気が駆け抜けていくようなそんな感覚があって、そこからどんどん良くなっていった。

 「こういう感じで治っていくのか〜」と読んで思いましたね。文章めっちゃうまいです。

note.com

育児をされていながら突発性難聴なり入院した方の体験記。入院してからステロイドを起きている間点滴され、痛くて看護師に「もっと早く落としてほしい」と訴えたところが印象的だった。ひどい突発性難聴なると本当に大変だなと改めて思いました。

おわりに

突発性難聴を発症するまで、五体満足で既往症もなく大病もしたことがありませんでした。よく聞きますが、「まさか自分が」です。誰であってもいつ病気になっておかしくないことを身をもって経験しました。

普段病院に行くことは年に1回、風邪を引いたときでしかなかったのが何回も病院に通うことになり、「世の中にはこんなに病気の人がいる」こともはじめて知ることができました。

突発性難聴になったことは嬉しくないですし治療中は不安でいっぱいでしたが、普段知ることのない世界を知れて世の中を見る目が変わることができました。見た目じゃ病気にみえなくても大病を患っている方がいること、生きている間治療が必要な方、同じ病の方との共有、医療従事者の専門知への敬意…突発性難聴にならなければ知らずに気づかなかったことばかりです。

明日は、神奈川県で障害者19人を殺害した被告の裁判が始まります。彼は今も「障害者は社会に不要」という考えを変えていないようです。生まれるときは健康体でも何らかの事故・病気により誰でも障害者になる可能性はあります。もし自分が障害者という立場になったとき、同じことが言えるのでしょうか。

また、障害者を排除することは「自分にとって有害だと思う誰か」の存在も否定することになり、排除の連鎖が続くことによりいずれ自分も社会から不要とみなされ排除されることになるのではないでしょうか。

今回突発性難聴になって、たまたま自分は運よく様々な条件が良かった結果完治しただけで、一歩間違えれば片耳は聞こえず耳鳴りが死ぬまで鳴り続けていたかもしれません。健康体で生きていることは本当に微妙なバランスの上で成り立っているにすぎないことを痛感しています。

僕が経験した体験記が突発性難聴で不安になっている方たちの参考になれば幸いです。

また、何かあれば書こうと思います。