百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

豪華客船に乗るんだ 短い旅と長い旅の使い分け

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農作業を終えるといつものおじいさんが外に出て草刈りか庭の掃除をしている。一見すると微笑ましい光景に見えるが、普段おじいさんは外に出ない。いつ外出しているのか知らない。家の前にでるときはきまって自分が家に農作業を終え帰ってきたときだ。

都会から田舎に引っ越してきたそこのあなた、これが何を意味するかわかりますか?僕は田舎で生まれ育ってきましたが、わかるようになったのは農業をやってから。

おじいさんは僕に話があるわけ。ん?意味がわかりませんよね。話したいなら直接話しかければすむだけのこと。僕もそう思います。田舎のおじいさんはそれができないんですよね。こっちは農作業を終えて帰ってきたわけだから、キツイし話すことはなにもありません。だから相手にせず向こうが話しかけてくるまで何もしない、放置プレイ。

おじいさんは何がしたいのでしょうか。直接話しかけてこないのははっきりいってよくわかりません。いまだに。ただ、時間を持て余すようなことをする理由はわかります。「暇だから」。何もすることがないんですね。年金もしこたまあるし、高度成長期で貯まった資産もあり、悠々自適。インターネットで簡単に世界の情報を知れるのに、彼が興味あるのは半径5mのことだけなわけ。定年退職したオジサンたちが行き場所がなくて何していいかわからず時間を持て余すのと変わらない。

田舎のおじいさんたちは銀座の高級クラブに行って洗練された女性と楽しい時間を過ごし、豪華客船に乗り世界を1年かけて回る旅でもして欲しい。一人でも半径5mから広がれば田舎は変わるのにな。まあ現実は世代交代しない限り無理ですけどね。

 

心身ともに健康体なんだけど、ここのところ行きづまっている。調子がでない。じっくり考えてみると、刺激と安定に原因があるような気がしている。

農業をしているときは、どれだけ野菜に手をかけても自然災害や病気になれば一瞬にしてすべてがパーになるわけだから、毎日がギャンブルようなものだった。農業以前も明日どこにいて何をしているのかわからなかった。ギャンブラーが生きるか死ぬかの駆け引きの快感を味わうような感覚なのだろう。生活がギャンブルだったから、パチンコなどのギャンブルは全然おもしろくないから一切やらない。

農業をやめて半年、日々が安定していて刺激がなさすぎる。こんなに安定した生活をするのは大人になって初めてだから違和感が半端ない。

行ったことのない場所へ長い旅にでれば刺激に満ち溢れるのは経験済みだからわかる。非日常の世界へ飛び込んでいくわけだから、不安と好奇心を行ったり来たりして刺激だらけの日々になる。

短い旅は気分転換になる。場を少し変えて観光しておいしいもの食べて温泉につかってビールを飲む。帰ってきてまた日常をがんばろうという気分にさせてくれる。

今の状態だと長い旅が必要なのだろうが、非日常じゃなくて生活そのものを刺激にしていきたいから行ってもどうもならない。農業に戻るのは簡単すぎるからもう少し色々やってみて決めたい。選択肢は多いほうがいい。

Choices