百姓日記

百姓をやるために田舎で生活しています。

プロとアマチュアの境が消えた

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youtuberが典型的な例ですが、ほぼ無料で誰でも動画を撮影して簡単にアップすることができる。チャンネル登録数と再生数に応じて広告収入が分配されるので、登録者数が多いyoutuberは月100万以上はザラだそう。夢が持てますね。

登録者数が多いyoutuberと少ないyoutuber、どちらもyoutuberであることに変わりはない。youtuberは職業として認知されているがプロとアマチュアの境は曖昧だ。ヒカキンと動画アップをはじめて1週間のyoutuberは認知度と収入は違えどyoutuberであることに変わりはない。

プロとアマチュアの境を曖昧にしたのは間違いなくインターネットの発達だ。コストがが劇的に下がり、誰でも気軽に挑戦ができるようになり失敗がしやすくなった。伊藤穰一は『9プリンシプルズ』「理論より実践」の項目のなかでこう書いている。

理論より実践ということは、加速する未来では変化が新しい常態となるので、実際にやって即興するのに比べ、待って計画するほうが高い費用がかかるということを認識するということだ。古き遅き日々なら、計画はーほとんどどんな活動でもそうだけれど、特に資本を必要とするものー金銭的トラブルと社会的な後ろ指を指されかねない失敗を避けるのに、不可欠なステップだった。でもネットワーク時代では、主導的な企業は失敗を受け入れ、奨励さえしている。いまや新しい靴のラインから自前のコンサルティング事業など各種のものの立ち上げは、価格面でも大きく下がり、ビジネスは「失敗」を安上がりな学習機会として受け入れるのがごく普通になっている。これはおっかなく思えるかもしれないけど、とんでもなく強力なツールにもなる。理論より実践を強調するなら、許可を待つ必要はないし、開始前にあれこれ説明する必要もない。p194

youtuberなんかまさにこれに当てはまる。勝手に自分でやって失敗しても学んで方向転換が容易にできる。僕は普段からyoutubeを頻繁にみているけど、無名だった人が半年もせずにいきなり再生数と登録者数を劇的に伸ばすのを何度もみた。現代人は時間がある人が多くて若者はテレビからyoutubeに移行したから市場はまだまだ大きくなりそう。

農業でも近いことが起こっていて、親の代から代々受け継いできた人が農家をやるのが当たり前だったのが、まったく違う分野から新規就農する人が増えている。耕作放棄地は増えているから借りるのは容易になり、農業をやめる人が増えているから機械も新品を揃えずとも貰ったり中古で安く買うのは昔に比べて簡単になっている。

僕の場合も、農地は借り物、機械も借り物と自分の所有物じゃない。昔ながらのプロ専業農家から「お前はなんちゃって農家だ」と言われたことがあるが、なんちゃって農家ができる時代にいるんだからなんちゃって農家をどんどんやっていけばいいと思っている。30年前だったらなんちゃって農家をやるのは無理だっただろう。農地は農家が所有して耕作するのが当たり前でそれなりに農業人口もいたのでなんちゃって農家をする余地がなかった。農業をやりたい人は増えているので、全て借り物のなんちゃって農家は増えていくのは間違いない。

プロとアマチュアの境がなくなり挑戦するのが簡単になったのはいいこと。あとは自分が一歩を踏み出すだけだが、その一歩が一番むずかしい。情報が氾濫して今までだったらみえなかったものがみえて、わかった感じになるから躊躇してしまう。「youtuberはこうだ」「農業はこうだ」とやってもいないのにわかった気分になるから挑戦することをやめてしまう。僕もそうだ。やってみよう、やってみようと思ってもやっていないことが山のようにある。

どうしたら前に行けるのかハウツーはない。自分の場合だったら普段とは違う場所に行ってエネルギーをもらうとかになるけど、一番は追い込まれたとき。身も蓋もないがどうしようもなくなって行動せざるを得なくなったときに動いてきた。恥ずかしながら。それまで色々考えていても追い込まれたときに動いて実践すると100%考えていたことと違う方向に進んでいる。

やろうと思っているのにためらっているなら追い込まれるまで待つといい。(追い込まれる前にやったほうがいいだろうけど)豊かな社会にいるから失敗してもどうにでもなる。事実僕は失敗ばっかしてきたけどどうにかなっているからね。

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